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ジャンル 昭和史・評伝

昭和6年撮影

村田五郎略歴
愛知県士族。東京帝国大学法学部卒。在学中に高等文官試験合格。内務省入省。富山県警察部を振り出しに,富山県氷見郡長,東京府官房主事,大分県警察部長,警視庁衛生部長・官房主事,内務省警保局外事課長,福岡県総務部長,内務省地方局振興課長,警保局保安課長,群馬県知事,内閣情報局次長などを歴任。東条内閣総辞職により退官。戦後,自由民主党の資金管理団体である「国民協会」の第2代会長に就任。

海鳴り(上巻)
−内務官僚村田五郎と昭和の群像−

村田光義著

定価1,540円/本体1,400円
四六判/552ページ/ISBN978-4-7556-1231-2

上巻の内容

◎一内務官僚の活躍と苦悩から昭和の激動を活写する
◎過激分子と闘う五郎はついに尾崎・ゾルゲを逮捕する

清廉かつ剛毅な一人の内務官僚村田五郎。彼と出会った多くの人びとが各々の激動の昭和を刻み過ぎ去っていった。東条英機,近衛文麿,武藤章・井上成美などの軍人,幾多の大臣,代議士,官僚たち,そして尾崎秀実,白洲次郎,長尾よね……。五郎の目に映った彼らの行動を通して戦前・戦後の歴史の内実が忌憚なく語られる。上巻では,陸海軍の激しい相互憎悪,日中事変長期化と大戦への道,海軍の陸軍に先んずる対米開戦主張,ゾルゲ事件による日独の損害,日米交渉の決裂,などそれぞれの事象がつまびらかになる。


もくじ(上巻)

はしがき 

第1章 富山時代(富山警察時代と氷見郡長時代)

門出/関東大震災/国政選挙の取り締まり/秩父宮の警護/演劇中止事件/検事局との対立/巡査の教習/大演習/郡長任命の背景/小学校建築問題/陰の恩人たち/教育界の刷新/氷見での日々/収賄事件/定置網騒動/農村の疲弊/郡制の廃止/送別会

第2章 東京府勤務時代
西久保市長の追い出し/わが国初の普通選挙の実施/淀橋町の職務管掌/結婚/漁網保障問題/農林課職員の罷免問題/大不況下の貧民救済と失業対策/政界の腐敗/政党による職員罷免に反対/隣接五郡の合併/藤沼府知事の潔癖/府知事と府会との衝突/海軍の要請/中小企業への補助金問題

第3章 大分県警察部長時代
政争渦巻く大分県/警察の改革/暴力団狩り/昭和十年の大演習/二・二六事件

第4章 警視庁時代
警視庁衛生部長時代/近衛内閣の成立/泥沼の日中事変へ

第5章 厚生省時代
予算の獲得/欧州への出発/ハンブルク/ジュネーヴ−国際労働機関を脱退−/ローマへ/ムッソリーニと握手/オリムピック開催の返上/平沼騏一郎内閣

第6章 内務省警保局外事課長時代
睨みあう陸海軍/平沼首相,アメリカ大統領へ親書/ベルギー人の逮捕/排英運動の高まり/陸軍と内務省との対立−難航する軍事同盟問題−/平沼内閣の総辞職−複雑怪奇という言葉を残して−

第7章 福岡県総務部長時代
米の買い占め/海員のための病院建設

第8章 内務省地方局振興課長時代
隣組の設立/日独伊三国同盟/平沼の内相就任を説得

第9章 警保局保安課長時代(1)
陸軍軍務局長と翼賛会の性格を巡り激論/親軍右翼の翼賛会への嫌がらせ/官庁の赤色グループへの手入れ/富田と橋本の不仲から武藤章と田中隆吉が反目/日ソ中立条約の締結−命を狙われた松岡外相−/独ソ開戦と日米交渉−閣外に追い出された松岡外相−/日米開戦についての海軍の決断/平沼襲撃事件

第10章 警保局保安課長時代(2)
近衛暗殺未遂事件/ゾルゲと尾崎の検挙/第三次近衛内閣退陣の経緯/東条内閣の出現/東条への権力集中

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